3Dプリンターには、フィラメントやペレットと呼ばれる材料が用いられます。
特に、近年注目を集めているペレット式についてはまだ情報も少なく、3Dプリンターの導入時にどちらの方式を選ぶべきか悩むケースも多いでしょう。
それぞれの特徴を理解することで、より自社の目的にマッチした3Dプリンターを導入することができます。
そこでこの記事では、それぞれの特徴や違いやメリット・デメリットについて解説します。ぜひ、3Dプリンターを検討する際の参考にしてください。
1. 3Dプリンターの材料|フィラメント・ペレットの特徴
フィラメントやペレットとは、ともに3Dプリントに用いられる材料のことです。文章や画像をプリントする通常のプリンターにたとえると「インク」にあたります。
フィラメントとペレットのどちらを用いるかどうかは、使用する3Dプリンターによって異なります。ここでは、フィラメントとペレットの特徴について解説します。
フィラメントとは
フィラメントとは、熱溶解積層方式または材料押出方式(MEX方式・FDM方式)の3Dプリンターで広く用いられる材料です。
直径1.75mmまたは2.85mmの細長い糸状に加工してあることが一般的で、「熱可塑性樹脂」と呼ばれる合成樹脂でつくられています。
加熱すると柔らかくなり冷やすと固まるという特性を活かし、3Dプリンターの押し出しノズルに挿入して熱を加え柔らかくした後、押し出すことによって積層します。
現在普及している3Dプリンターには、フィラメントを使用するフィラメント方式が多く採用されています。
ペレットとは
ペレットとは、フィラメントに加工する前の材料のことです。
3Dプリンターの中には、ペレットをそのまま使用できるペレット方式(FGF)を採用するタイプがあります。
ペレット方式の3Dプリンターでは、フィラメントからペレットへ成型し直す工程そのものを省けるため、粒状素材を直接造形することが可能です。
材料コストやSDGsの観点などから、ペレット方式の3Dプリンターは近年一層注目を集めています。
2. フィラメント方式とペレット方式の違いは?メリット・デメリットを比較
フィラメント方式とペレット方式には、それぞれ強みと弱みがあります。
自社に適した3Dプリンターを選ぶためには、それぞれのメリット・デメリットを比較検討することが大切です。
ここでは、フィラメント方式とペレット方式のメリット・デメリットから、それぞれの方式の違いを確認します。
フィラメント方式のメリット・デメリット
フィラメント方式の3Dプリンターには、以下のメリット・デメリットがあります。
メリット
- 造形解像度に優れている
- 小規模の製造にも対応可能
- 製品の選択肢が多い
フィラメント方式のメリットは造形解像度に優れ、小規模な製造にも適している点が挙げられます。
ペレット方式と比較して製品の選択肢も多いため、自社の希望に合う3Dプリンターを見つけやすいというメリットもあります。
デメリット
- 材料費が高い
- 造形速度が遅い
- 環境面への配慮が難しい
ペレットからフィラメントへの加工の手間が生じるぶん材料費がかさみ、造形スピードも遅くなってしまう点は、フィラメント方式のデメリットに挙げられます。
3. ペレット方式のメリット・デメリット
ペレット方式の3Dプリンターには、以下のメリット・デメリットがあります。
メリット
- 材料費を抑えられる
- 造形速度が速い
- 素材の選択肢が豊富
- 環境に優しい
「フィラメントへの加工」という工程を必要としない点が、ペレット方式の最大の強みといえます。
フィラメント方式と比べて造形速度が速く、材料コストに至っては最大1/10程度まで削減することができます。
ペレットを成型しなおす必要がないことから、幅広いリサイクル素材に対応することも可能です。
廃プラスチックの大幅削減や排除に役立つ点も、SDGsに取り組む企業にとって大きなメリットやブランディングになるでしょう。
デメリット
- 造形解像度に課題がある
- 製品の選択肢が少ない
フィラメント方式と比べると造形解像度に課題が残ることは、ペレット方式のデメリットに挙げられます。
フィラメント方式と比較した場合、製品の選択肢が少なめです。
4. フィラメント方式とペレット方式の比較
フィラメント方式とペレット方式のメリット・デメリットをふまえた両者の比較は、次のとおりです。
【フィラメント方式とペレット方式の比較表】
比較項目 |
フィラメント方式 |
ペレット方式 |
造形速度 |
遅い |
速い |
材料コスト |
高い |
安い |
造形解像度 |
高い |
低い |
製造規模 |
小規模から可能 |
小規模から可能 |
材料の選択肢 |
少ない |
多い |
環境保全・SDGs |
適していない |
適している |
製品の選択肢 |
多い |
少ない |
もちろん製品によって強みや弱みは異なりますが、一般的な違いとして比較の参考にしてください。
5. まとめ:ペレット方式3Dプリンターの導入および同プリンターを活用し3Dプリントを検討している方はご相談ください
この記事では、3Dプリンターにおけるペレットとフィラメントの違い、メリットとデメリットを解説してきました。
知名度の高さから「3Dプリンターといえばフィラメント方式」と考えている方も多いかもしれませんが、ペレット方式の方が適しているケースもあります。
3Dプリンターを導入、また部品や製品を製造する場合、両者の特徴を知り、メリット・デメリットを踏まえて検討することが大切です。
DDDJapan.comでは、ペレットから直接3Dプリントできるペレット方式(FGF)3Dプリンター「WASPシリーズ」を取り扱っております。製造業や研究、材料開発をはじめ、アート、自動車、家具など幅広い分野でご活用いただけます。
ペレット方式3Dプリンターについて詳しく知りたい・興味がある、という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
また、運営会社の株式会社3D Printing Corporationでは、3Dプリント技術を用いて、設計から製造、後加工、品質評価まで一貫したサービスを提供しています。3Dプリントに関してご興味のある方は、是非一度お問い合わせください。
・メール経由:info@3dpc.co.jp
■工場見学開催中!最先端技術を搭載した海外製3Dプリンターが10種類以上
具体的なイメージが持てるように、実際に3Dプリンターや造形品を見て触ることができる工場見学を開催しております。また、樹脂であれば無料で造形を承っており、金属の場合は50%オフで造形を行っています。※お申し込み時にデータをいただき、工場見学の際に造形品をお渡しいたします。
ご興味のある方は是非お問い合わせください。