
3Dプリンターで効率的な小ロット生産が可能に【BCN3D Technologies】
3Dプリンターは、小ロット生産に向いているということをご存知ですか?
適した3Dプリンターを使用することで、費用対効果が高く、効率の良い生産ができます。
試作技術から製造技術に変化している3Dプリンティング技術。
早くより製造業に3Dプリンターを取り入れている海外では「3D Printer Farm(3Dプリンターファーム)」という言葉が使われています。
3Dプリンターファームとは、3Dプリンターを複数並べて部品を量産する設備のことをいいます。
なぜ「農場」という意味の「Farm」が使われるのかというと、複数並んだ3Dプリンターからプリントが完了した造形物を回収する様子を、たくさんの農産物(例えばキャベツ等)から「収穫」する様子に例えられているからだそうです。
スペインの3DプリンターメーカーBCN3D Technologiesでは、実際に自社3Dプリンターを使った3Dプリンターファームで、最終製品の3Dプリンターに使う構成部品を1ヵ月に10,000個以上製造しています。
3Dプリンターで小ロット生産
BCN3D Technologiesの3Dプリンター「Sigma」および「Sigmax」には、3Dプリンターで製造した47個もの部品がそれぞれに使われています。
これらの部品は、3Dプリンターファームにて自社3Dプリンター63台を24時間稼働させて、小ロット生産されています。
つまり、販売しているSigmaまたはSigmax内の構成部品が、同じSigmaまたはSigmaxで製造されているわけです。
これらの3DプリンターSigmaおよびSigmaxは、机に置けるコンパクトサイズであるにも関わらず、効率的に小ロット生産を行うことができます。その理由は、BCN3DのIDEX(独立型デュアル・エクストルーダー)テクノロジーにあります。
IDEXテクノロジーで生産量が2倍に
BCN3DのIDEXテクノロジーは、従来のデスクトップ型3Dプリンターと比べてその生産量は2倍であり、効率的に小ロット生産を行うことができます。
IDEXは「Independent Dual Extruder」の略で、独立型デュアル・エクストルーダー(二重押出機)という意味です。
デュアル・エクストルーダーを搭載するほとんどのデスクトップ型3Dプリンターは、2つのツールヘッド両方が同じキャリッジにあります。一方、BCN3DのIDEXテクノロジーでは、2つのツールヘッドを独立して、別々にコントロールすることができます。これにより、それぞれのツールヘッドで同時に造形することができ、左右対称のパーツを同時に造形するミラーモード、全く同じパーツを同時に造形する複製モードが可能です。これが生産量を2倍にすることができる理由です。
BCN3Dの3Dプリンターファームで製造している部品に、バーティカル・ボーデン(Vertical Bowden、垂直ボーデン)があります。これは、テフロンチューブを定位置に維持するのに役立つ部品です。
複製モードによって、BCN3Dは1ヵ月に1,500個のバーティカル・ボーデンを製造することができます。従来のデュアル・エクストルージョンの3Dプリンターでは750個しか作ることができないので、生産の効率性は明らかです。
なぜIDEX搭載の3Dプリンターを選ぶのか?
IDEXテクノロジーでは複製モードおよびミラーモードがあるため、生産量を2倍にするだけでなく、小ロット生産に向いている多くのメリットがあります。
・3Dプリンターの購入コストを半減
IDEXテクノロジーのデュアル・エクストルーダーによって、同数の3Dプリンターで2倍の量の部品を生産することができます。
・メンテナンスと機械の停止時間によって発生するコストを半減
3Dプリンターを最適なコンディションに保つには、通常メンテナンスが必要です。BCN3Dの3Dプリンターは1台で2倍生産できるため、追加で必要な対応やメンテナンス費が不要になり、メンテナンスに掛かるコストおよび時間や、機械の停止時間によるロスが少なく生産量を増やすことができます。
・人件費を半減
BCN3Dのプリンターを使用する際のデータ設計とプリント準備の時間は、市場の他社プリンターと同じくらいの時間が掛かります。しかし、BCN3Dの3Dプリンターは1台で2倍の量を製造できるため、データ設計や準備などに掛かるコストや時間も半減できます。
・同じスペースで2倍の生産量
1台で2倍量を生産できるということは、1㎡における生産量も2倍ということです。
IDEXテクノロジー:信頼できるデュアル・エクストルージョン・3Dプリンティング
上で見てきた通り、IDEXテクノロジーは早くて費用対効果の高く、小ロット生産に最適なソリューションです。
IDEXテクノロジー搭載の3Dプリンターは、プリントしていない方のツールヘッドは片側で停止することができます。そのため、プリントしていないツールヘッドから出る溶けたプラスチックが、もう片方のツールヘッドでプリント中の造形物に付着するのを防ぐことができます。よって、IDEXテクノロジーの3Dプリンターは、市場に出ている中でも最もきれいに造形できる3Dプリンターと言えます。
左:従来のデュアル・エクストルーダー
右:IDEXテクノロジーのデュアル・エクストルーダー
3Dプリンターファームで最終用途部品を生産
BCN3Dの3Dプリンターは、e3D社のホットエンドやBondtech社のエクストルーダーなどの最上級の機械・電子の構成部品を使用しています。これにより、3Dプリントした部品の正確な寸法公差と高い再現性を確保することができます。
BCN3Dの3Dプリンターファームで生産する部品は、PET-Gを材料に使用して製造しています。PET-Gは、優れた機械特性を持ち、高い動作温度に耐えられるため、最終製品の部品の製造に適しています。
IDEXテクノロジーは、BCN3Dでの3Dプリンター生産に改革をもたらしました。ハードウェアの導入費を妥当に保ちながらも生産性を2倍にすることができたからです。
実際にBCN3Dでの生産を見ても、3Dプリンター、特にIDEXテクノロジーを使用した3Dプリンターによる小ロット生産が、生産の効率性を上げることが分かりました。
IDEXを搭載した3DプリンターSigmaおよびSigmaxについてもっと知りたい方やお見積り依頼は、BCN3Dの日本総代理店であるDDDJapan.comまでお問い合わせください。
また、3Dプリンターによる量産に関するコンサルティングやサポートも承っておりますので、お気軽にご相談ください。
出典元:https://www.bcn3dtechnologies.com/en/idex-technology-bcn3d-print-farm-low-volume-batch-production/