
ロボット同士の激しい戦いを3Dプリンターがサポート【Markforged】
アメリカのテレビ番組「BattleBots」はリモコンロボットが激しく戦う人気番組です。参加チームはロボットを設計から組立てまで行い、トーナメント方式で対戦します。
2019年6月から放送している新シーズンのBattleBotsでは、アメリカの3DプリンターメーカーMarkforgedが、2週間の撮影期間中、現場で160個以上ものパーツを作製し29チームに提供しました。
対戦中はロボット同士で激しくぶつかり合うため、ロボットが破損することが多くあります。ダメージを受けたロボットは、その場でMarkforgedの3Dプリンターで破損個所の部品を3Dプリントして素早く修理したり、相手のロボットの攻撃や特徴に対応するため、新しい部品を3Dプリントして自分のチームのロボットのデザインをリアルタイムで変更したりすることができ、3Dプリンターが現場で活躍しました。

プロトタイプ、治工具、最終部品まで3DプリントーValkyrieの例
参加チームの一つValkyrieのロボットは「アンダーカッター」と呼ばれるもので、相手のロボットの車台部分にダメージを与える設計です。
BattleBotsの今回のシーズンに向け、Valkyrieは試作の段階からMarkforgedの3Dプリンターを使用して200パーツも作製しました。完成品のロボットにも、55個の部品が3Dプリントで作られました。
Markforgedの3Dプリンターでは、幅広い種類の材料からパーツごとに最適な材料を選ぶことができました。また、従来の製作方法とは対照的に、軽量で3Dプリンティングならではの最適化された設計も可能になりました。Valkyrieは、衝撃に強い材料Kevlar®を電子部品のカバーに使用したり、わずかな重量ながらアルミ同等の強度の部品や、ロボットの狭い内部に収まるよう形状を最適化した金属のブラケットを作ったりすることができました。
また、製作段階においては、部品が3Dプリンターで自動で作製されるので、その時間は溶接や機械加工、試験、組立てなどの他の大切な工程に時間を注ぐことができました。時間を有効に使えたため、チームメンバーの睡眠時間も増やすことができたそうです。
プロトタイプ
3Dプリントされたプロトタイプは、実際にロボットに装着して設計などのチェックに使用されました。
(画像:Markforged)
治工具
機械加工の際に使用するソフトジョーや治工具なども3Dプリントされました。下の画像は3Dプリントしたドリル用の治具。
(画像:Markforged)
最終部品
完成品のロボットの55部品がMarkforgedで3Dプリントされました。
モーターや装甲等に接するブラケットやサポートなど剛性が必要とされるパーツ、計12個は金属で3Dプリントされ、
炎を放つロボットが対戦相手でも耐えられるよう、難燃性素材のOnyx FRを使用して3Dプリントされたパーツは9個、
その他、電子部品カバーや本体のパーツなどの34個の部品が連続炭素繊維を使用して3Dプリントされました。
薄型で軽量の装甲パネルのブラケットは金属3Dプリントで製作。(画像:Markforged)
従来のバッテリーボックス(左)と3Dプリントしたバッテリーボックス(右)。3Dプリントしたものは激しい対戦の衝撃にも耐えた。(画像:Markforged)
瞬時に適応
対戦時には、破損個所の交換部品や、対戦相手に対する戦略として考え出された新しい部品などがその場で3Dプリントされました。
対戦中にモーター箇所に問題が繰り返し起こったため、対応策としてモーターをサポートする台が3Dプリントされた。(画像:Markforged)
プロトタイプから完成品の部品まで、幅広く活躍する3Dプリンティング。BattleBotsでの激しい戦いでも、Markforgedの3Dプリントによる強度とその適応性を見ることができました。
Markforgedの3Dプリンターのお見積りや活用方法につきましては、日本代理店のDDDJapan.comまでお気軽にお問い合わせください。
出典元:
https://markforged.com/blog/markforged-3d-printers-battlebots/