3DPC「Markforged Mark Twoマニュアル」:成形手順 -  Mark Twoのチェック~プリント開始まで

3DPC「Markforged Mark Twoマニュアル」:成形手順 - Mark Twoのチェック~プリント開始まで

DDDJapan.comの運営会社である、株式会社3D Printing Corporationが執筆した「Markforged Mark Twoマニュアル」から一部抜粋した情報の連載です。

 

II. 成形手順

II.c. Mark Twoのチェック~プリント開始まで

本フォルダの a-gはプリント前のチェック項目です.

a-gの順番でチェックし,プリントを開始します.

順番を間違えたり,飛ばしたりすると,プリント失敗するか,余計な時間を使ってしまいます.

i. 材料の残量チェック

材料の残量が使用する予定量より多いかを確認します.少ない場合は,チェック項目 ii.-iv.をチェックした後,項目 v.にて材料を装填します.

ii. チューブのジャミングチェック

特に繊維がうまく積層されなかったプリントの後の場合,この項目は入念にチェックする必要があります.チューブとは押出機からプリントヘッドを繋ぐチューブのことです.
チューブのジャミングは以下の3種類に分類することができます.対処法については 4.A.a.を参照してください.

1. 押出機内ジャミング

押出機の中でフィラメントがつまることがあります(樹脂の方が頻度が高いです).

2. チューブ内ジャミング

Mark Oneのときは最も多く起こりましたが,ハード面の対策によりMark Twoでは激減しました.場合によっては繊維が短く分断されチューブ内に残ってしまいます.この可能性を無くすためにも,プリントが不調なときはチューブをプリンタから取り出し,チェックします.
しかし,依然としてFRPノズル内のチューブには繊維が詰まりやすい場合は,チューブを加熱して詰まったフィラメントを取り除くか,最悪の場合チューブを交換する必要があります.

3. プリントノズル内ジャミング

繊維の場合はほとんど起こりません.母材樹脂ノズルの場合,プリントヘッドの上部についている輸送チューブをヘッドから取り外し,上部からプリントノズルを覗き込んだ時に向こう側が見えない場合は、ノズル内ジャミングです.これらのジャミングは複合的に発生する場合もあります.

iii. プリントノズルのジャミングチェック

前回の印刷物,前回プリント時に塗布したのり,プリント時ベッド上部に積層される円筒状と線状の成形物の4つを取り外します.それぞれの取り外し方は以下の通りです.

・前回の成形物,円筒状成形物,線状成形物(図 II.29)

金属のヘラを使ってベッドから取り除きます.金属ヘラが方当たりするとベッドが傷付きプリントに支障をきたすので注意してください.

・前回プリント時に塗布したのり

プリントベッドには特殊なディンプル状の膜が塗装されているので,有機系の薬品による洗浄は危険です.水道水を流しながら手で表面をなでると,のりが溶け出し洗い流すことができます.終わったあとは自然乾燥が望ましいです.自然乾燥中は他のプリントベッドに切り替えれば,乾燥を待たずに連続してプリント可能です.2017年5月以降に購入したMark Twoに付属しているプリントベッドは灰色の1枚板で構成が異なりますが,水道水で洗い流して乾燥することで再使用できる点は同じです.
図 II.29 印刷時にプリントベッド左上に出力される円筒状の構造
図 II.29 印刷時にプリントベッド左上に出力される円筒状の構造

iv. プリントベッドのクリーンアップ

ベッドがプリンターに取り付けられていることを確認します.ベッドから印刷物を取り除いたり,ベッドを洗浄した直後は,ベッドをプリンタに取り付け忘れてプリント開始してしまう場合があります.

v. 材料ロード

チェック項目 iで材料の残量が使用する予定量より少なかった場合,新しい材料を装填します.材料の装填方法はFRPと樹脂フィラメントとで異なります.タッチパネルのホームか ら,Menu→Materials→Load/Unload Filamentを選択して,手順に従います.(ユーザーインターフェースの更新頻度が高いため,混乱を避けるためにあえて操作画面は添付しません.必要な場合は,https://support.markforged.com/hc/en-us/articles/115000403824-Set-Up-andLoad-Plasticあるいはhttps://support.markforged.com/hc/en-us/articles/208198473-Set-up-andLoad-Fiberを参照)

1. FRPドラムのロード 

チューブ詰まりや異なるFRP材料への変更などでも利用するので早めに慣れると楽になります.手順の途中,押出機内に繊維を挿入するステップがあります.そのときは以下のようにすると繊維を装填しやすいです.
・ドラムから 40-50cmフィラメントを伸ばしておきマスキングテープで止める(図 II.30)
図 II.30 FRPのロード前に 40-50cmフィラメントを伸ばしマスキングテープで止める 図 II.30 FRPのロード前に40-50cmフィラメントを伸ばしマスキングテープで止めます

・繊維チューブからフィラメントを挿入し,押出機までフィラメントを押し込みます
・フィラメントが押出機まで到達しない場合,フィラメントがチューブと押出機の結合部にうまく差し込めていないのが原因です.フィラメントを一度チューブから取り出し,フィラメントの先端を鋭角に切断します.その後再度押し込みます.それでも押出機まで到達しない場合は単純に結合部に引っかかっているので,何度か抜き差しして結合部に引っかからないように押出機まで到達させます.
・ドラムをプリンターにセットして,止め具で固定し,マスキングテープを取り外します.ドラムからフィラメントがはじけ飛ばないように気を付けます
・押出機からプリントヘッドへ続くチューブが両端とも接続されていることを確認します
・FRPノズル及びノズル内チューブが貫通していることを確認し,プリントヘッドに取り付けます.
・FRPノズルの温度が十分低くなっていることを確認します.高い場合は設定 >Utilities>Manual Control>Temperature Control でFRPノズルの温度を下げます.
・タッチパネルで設定>Materials>Load Fiberで繊維の押出機を動作させます.
・フィラメントがFRPノズルから出てきたらタッチパネルで繊維カット
・カットした繊維を取り除き装填完了

2. 母材樹脂ドラム

樹脂押出機が空回りしているような音がした場合,一度樹脂をリロードすることが望ましいです.空回りが続く場合は,IV.a.ii.2.を参照してください.樹脂の場合は繊維ほど面倒ではありません.押出機がうまくフィラメントを取り込めない場合は,フィラメントの先端を鋭角に切断し,再度押出機に押し込みます.うまくいかない場合は,再度フィラメントの先端を別の方向から切断します.樹脂が空回る原因の1つに樹脂が水分を吸い過ぎているというものがあります.この場合,印刷の精度が劣化するなどの悪影響も発生するので,樹脂の湿度管理を徹底します。
・樹脂フィラメントの先端を鋭角に切断し,チューブに挿入します.
・押出機まで押し込みます.
・押出機からプリントヘッドへ続くチューブが両端とも接続されていることを確認します
・母材樹脂ノズルがプリントヘッドに取り付けられていることを確認します
・タッチパネルで設定→Materials→Load Polymerで樹脂の押出機を動作させます
・樹脂がうまく取り込まれない場合は,フィラメントの先端を鋭角に切断し再度押出機に押し込みます.うまくいかない場合は再度フィラメントの先端を別の方向から切断します.
・フィラメントが母材樹脂ノズルから出たらタッチパネルで操作して終了.
・母材樹脂ノズルの温度が高くなっていることを注意しながら,プリントノズルから出てきている樹脂を取り除き,装填完了.

vi. プリントベッドのレベリング

プリントベッドとプリントノズルの平行度を保つ(レベリングする)ことは,FDM(熱溶解積層法)に基づく3Dプリンタでは重要です.タッチパネルから Menu→Utilities→Level Print Bedへ移動し,手順に従ってレベリングします.
手順の中で,シックネスゲージ(シム)をスライドさせてわずかな抵抗(slight resistance)を感じるまでプリントノズルとベッドの距離を近づけると出てきますが,大まかな指標として,抵抗を感じ始める距離とシムをスライドさせられないほどの大きな抵抗となる距離の中間に設定するとちょうど良いです.

vii. プリントベッドへののり付け

プリントベッドに水溶性ののりを塗布します.のりが多すぎると印刷に支障がでるので,薄く延ばします.のり付けの範囲は,成形物の底面より少し広くします.

viii. ネットワーク接続

Mark Twoはネットワークを介して成形物のプリントデータを取得します.そのため,ネットワークとの接続が必要です.ネットワーク上で転送できない場合には,USBを介してデータを転送します.
1. タッチパネルの右上にある電波マークをタッチ(Menuボタンの左隣)
2. CONFIGUREボタンをタッチ
3. WiFiのネットワーク接続を設定します
4. 電波マークが接続状態になるのを確認します
5. Eigerにてプリンタの状態がオンラインになっていることを確認します

ix. プリント開始

プリントデータをMark Twoに転送し,印刷開始する方法は,ネットワークを介した場合とUSBを介した場合で途中から異なります.

1. Eiger上で印刷物を選択

EigerのLibraryで印刷する対象を選択します

2. Printer Settingsへ移動

各種設定を確認後Printボタンを押し,Printer Settingsのページに移動します.このペ ージは2Dのプリンターでいうプリンタドライバの設定画面です.

3. データ送信

Printing Settingsの各種設定後Select Printerでインターネット接続されている Mark Two/USB経由の場合Export buildを選択します.インターネット経由の場合は, Mark Twoの準備が完了していることを確認して,Print Nowを選択します.
USB経由の場合は,Export時データ変換が実行されます.完了するとブラウザからデータダウンロードできるようになります.ファイルはmfpという形式で出力されます.どちらで印刷する場合も,日本語でファイル名が入力されているとMark Two上では文字化けするので注意してください.
インターネット経由の印刷はここで終了です.残りの手順はUSB経由の場合です.

4. USB経由の場合

ExportしたmfpファイルをUSBフラッシュメモリに移動します.
Google Chrome上で設定したフォルダにアクセスし,USBフラッシュメモリに格納します.このとき,データは1階層目に置いてください.フラッシュメモリ内の日本語のフォルダ/ファイルは文字化けするので注意してください.USBが接続され,Mark Twoに認識されると,メニューバーの横にUSBのマークが表示されます(図 II.31).
図 II.31 USBを MarkTwoに接続すると USBマークがメニューバーに追加される
図 II.31 USBをMark Twoに接続するとUSBマークがメニューバーに追加されます

表示されたらUSBマークをクリックし印刷するファイルを選択,印刷を開始します.USBマーク>Print from Storageと進み,印刷するmfpファイルを選択します.この時,1階層目にデータを格納していないとデータが表示されないので注意が必要です.


・・・この続きは、次回ブログに連載予定です。

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