
TPEの特徴とは? TPEを造形可能なSLS方式3Dプリンターのご紹介
粉末焼結積層造形(Selective Laser Sintering、SLS)方式とは、粉末状の材料にレーザーを当て、一層ずつ焼き固めて造形していく3Dプリンティング技術です。複雑な形状の造形物や、高精細で耐久性のある造形物の製作に向いています。
SLS方式3Dプリンターでは、ポリアミドのPA6、PA11、PA12といった材料を使用して、強度のあるナイロンの造形物を作製するのが一般的です。
ポリアミドのようなナイロンが最適な造形物もありますが、もっと弾性のある造形物を造りたいこともありますよね。
弾性のある材料を使用できるSLS方式3Dプリンターを提供しているのが、ポーランドの3DプリンターメーカーSinterit(シンタリット)です。
TPE(熱可塑性エラストマー)
Sinteritのプリンター「Lisa Pro(リサプロ)」は、工業向けのスペックを持ちながらも、SLS方式3Dプリンターとしては低価格であり注目されています。
Lisa Proの魅力は価格だけではなく、幅広い種類の材料に対応しているところにもあります。
その材料のうちのひとつがTPE(熱可塑性エラストマー)です。
TPEは、プラスチックのような素材感でありながら、ゴムのような弾性を持っています。 応力が生じた場合にゴムのように伸びることができ、応力から解放されれば元の形に戻ることができるため、TPEでできた造形物の寿命は長くなります。
TPEの特徴
- 弾力性
- 耐久性
- 高密度
(画像:Sinterit)
柔軟な材料にTPU(熱可塑性ポリウレタン)がありますが、TPEはTPUとは異なり、造形物の表面はゴムのような質感があります。TPEは優れた熱特性および安定性を持っているため、過酷な環境にも耐えることできます。
- 融点 190℃
- ショアA硬度 90
また、高密度で耐油性にも優れている上に、皮膚に接触しても安全です。
これらの特性から、TPEは機械的な造形物にも使えますし、他にも幅広い用途に使用できます。例えば、衝撃を吸収するので、物を守るためのカバーに使用したり、柔らかい特徴を活かして服などのファッションに使用したり、など。
ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートのファッションプロジェクトにSinteritが使用された例(画像:Sinterit)
TPEは耐水性がありますが、完全に防水はできず、また密度は高いですが、多孔質です。
そのため、TPEを使用した造形物を長時間、水に接触するような使い方をする場合には、液剤「Sealer」を使用することで造形物をコーティングし水に強くすることができます。
TPEコーティングなし(左)、TPEコーティングあり(右)(画像:Sinterit)
TPEを使用した造形物の弾性や特徴を映像でもご覧いただけます(英語)。
Sinteritの3Dプリンターなら、TPEも使用出来て、造形できる物の幅が広がりますね。
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出典元:
https://www.fabbaloo.com/blog/2019/6/6/tpu-elastomers-from-powder