光造形方式3Dプリンターの特徴とは? 製品を選ぶときのポイント

光造形方式3Dプリンターの特徴とは? 製品を選ぶときのポイント

様々な造形方式がある3Dプリンター。どの造形方式が自社の目的に合っているか、お迷いではないでしょうか?

本記事では、他の造形方式との比較や活用方法などをご紹介しながら、光造形方式3Dプリンターについてご説明いたします。

 

3Dプリンターの主な造形方式

3Dプリンターには9つの大分類があり、プラスチックと金属を主として様々な材料に対応しています。

3Dプリンターの9つの大分類

3Dプリンターの造形方式の大分類として、下記の9種類があります。

FFF(FDM、熱溶解積層法)、SLA(ステレオリソグラフィー、光造形)、DLP(デジタル・ライト・プロセッシング、光造形)、SLS(粉末焼結積層造形)、SLM(レーザー溶融法)、EMB(電子ビーム積層造形)、LOM(ラミネート製造法)



その中でも、プラスチックを使用する二大造形法と言われるのが、FFF(FDM、熱溶解積層法)と、今回ご紹介する光造形方式(SLA方式)です。3Dプリンターにご興味のある方の多くは、どちらかの造形方式について聞いたことがあるでしょう。

光造形方式は1980年代に特許取得されており、最も古く、長く使用されてきた3Dプリンティング技術です。UVレーザーを照射し、液体の光硬化樹脂(レジン)を層状に硬化して積み上げていき、3D形状に造形していく方式です。細かい造形が得意で、滑らかな表面仕上がりが必要な場合の造形に、光造形方式3Dプリンターが適しています。

二大造形法:光造形方式とFDM方式の違い

造形方式 光造形方式 FFF方式
硬化方式 光でレジンを固める 熱でフィラメントを溶かして固める
造形材料 光硬化性樹脂
(レジン)
熱可塑性樹脂
(フィラメント)
メリット
  • 光で細かい表現が可能
  • 滑らかな表面仕上がり
  • 透明やゴムライク、キャスタブルなど材料種類が豊富
  • 幅広い種類の材料が使用可能
  • 材料の混合がしやすい
  • 設備がシンプルでメンテナンスが楽
デメリット
  • 脆い
  • 紫外線など光によって劣化する
  • 複数の後処理工程が必要
  • 耐熱温度に注意が必要
  • 熱収縮する
メーカー例

 

 

光造形方式の3Dプリントで用いられる素材

光造形方式で使用できる素材は光硬化可能な樹脂(レジン)です。

主なレジンの種類

スタンダード レジン

  • 滑らかな表面仕上がり
  • 細かなディテールを表現できる

透明レジン

  • 透明な材料
  • 後処理により高水準な透明パーツの作製も可能

キャスタブル レジン

  • 型の製作に利用可能
  • 燃焼後の灰分率が低く、ジュエリーの製造などに向いている

高耐久性レジン

  • 強度や硬度などABSに似た機械特性を持つ

高温耐性レジン

  • 高い耐熱性を持つ
  • 射出成形などに使用可能

歯科用レジン

  • 生体適合性を持つ

ゴムライク レジン

  • ゴムのような柔軟性を持つ

 

当社取り扱いの「レジン」製品一覧はこちら

 

光造形方式で出力された造形物の特徴

精細かつ滑らかな表面仕上がりが必要な場合の造形に、光造形方式3Dプリンターが適しています。

メリット

  • 寸法精度と精細な形状の再現度
  • 表面仕上がりが滑らかなため、可視化が必要な試作品との相性が良い
  • 透明、柔軟、キャスタブルなど特徴的な材料を使える


また、考慮すべきデメリットとして、下記が挙げられます。

デメリット

  • 脆く、荷重が掛かる機能パーツとしての運用には向かない
  • 光(紫外線など)による劣化により、光造形の特徴である視覚的な造形の品質が損なわれる
  • 高水準な外観を得るには、複数の後処理工程が不可欠


メリット・デメリットを踏まえた上で、光造形方式3Dプリンターが、求める造形物の仕上がりや使用用途を達成できるかを考慮することが大切です。

 

光造形方式3Dプリンターの用途

光造形方式3Dプリンターは、下記のような用途に使われています。

ラピッドプロトタイピング(高速試作)

3Dプリンティングは、機器のセットアップを変更することなく、データの変更のみで異なる形状を成形することができるため、スピード重視で多岐にわたる形状を作製するラピッドプロトタイピングに活用されています。3Dプリンターを導入して社内で使用すれば、試作品の内製化が可能です。製品開発プロセスの時間短縮ならびにコスト削減につなげることができます。
特に光造形(SLA)方式の場合、その強みを活かして下記のような活用場面があります。

<例>
  • 試作の可視化
商品の試作品などを実際に形にすることで、社内あるいは社外の人にも共有しやすく、商品のイメージしやすくなる。
  • 工具などの試作
実際に工具の形やはまり具合の確認に使用される。高耐久性レジンや高温耐性レジンを使用すれば、機能試験用のプロトタイプ製作も可能。

小さな射出成形部品の出力

従来の製造方法を用いた金型製作は、納期が長く、初期コストが高いです。また、鋼やアルミなど硬い素材を使用した金型は、形状変更が難しいことが課題です。
一方で、3Dプリンターを使用して型を内製化すれば、形状変更が容易になり、短納期・低コストで設計の反復が可能になります。さらに、光造形方式で3Dプリントしたパーツは高精度かつ滑らかな表面仕上がりになるので、型が最終パーツに移りやすく、離型も簡単です。また、高温耐性レジンを使用すれば、高い溶融温度の熱可塑性樹脂の射出成形にも対応できます。ただし、材料が樹脂であることから、回数の少ない射出成形用の型や試作型の方が適しています。

<例>
  • 大量生産する商品の素材を選定するため、さまざまな種類の熱可塑性樹脂で試作するための型の製作
  • 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、急遽、必要になったマスクのストラップの設計・製作において、光造形方式3Dプリンターで型を素早く製作

産業用 大型光造形3Dプリンターでの造形

多くの光造形方式3Dプリンターは、デスクトップ型など機器本体のサイズが小さいものが多いです。しかし、光造形方式のメリットはそのままに大型パーツを造形したい場合には、産業用の大型光造形方式3Dプリンターが適しています。また、大型であれば、複数のパーツを一度に造形するバッチ生産も可能になるため、生産スピードを上げることができます。

<例>
  • バンパーなどの自動車部品の試作品や最終製品の製作。部品の開発サイクルを加速化。
  • 複数あった部品を統合して一括で造形することで、組立工数が減り、大型部品の製作に掛かる時間を短縮。
  • 複数のパーツを一度に造形できるため、量産にも適している。

 

光造形方式3Dプリンターを選ぶときのポイント

光造形方式3Dプリンターを選ぶときには、造形したいモデルのサイズと生産量を考慮することがポイントです。

小さいモデルの出力

出力したいモデルが小さい場合は、デスクトップ型の光造形方式3Dプリンターが使えます。業務用のデスクトップ型機器としては、70万円~300万円程度の価格帯のものがあります。金額面でもサイズ面でも導入しやすく、自社で所有してパーツを内製するのに向いています。

おすすめのデスクトップ型光造形3Dプリンター機種例

Formlabs Form 3 & Form 3L

使いやすさと造形の微細さを兼ね備えた光造形方式3Dプリンター。
比較的低価格ながら、多くの工程が自動化されており扱いやすく、材料の種類が豊富です。
⇒ 詳細はこちら

B9Creations B9 Core Series

超精密造形。業界最速の光造形方式3Dプリンター
高精細でジュエリー製作にも多く使用されています。エンジニアリング向け材料ラインアップもあり、幅広く活躍。
⇒詳細はこちら

大きいモデルの出力

出力したいモデルが大きい場合は、大型の光造形方式3Dプリンターが必要になります。1000万円以上する機種が多いため、パーツの生産量や3Dプリンターの使用頻度によっては、造形サービスを行っているサービスビューロー(受託サービスを請け負う企業)に外注する方がコストパフォーマンスが高い場合があります。

大量生産の場合

自社内で大量生産するにおいて3Dプリンターを購入するリスクの方が高い場合や、一般的な造形サービスでは対応できない特殊な材料、寸法、生産点数を必要とする本格的な大量生産は外注がお得です。
当社DDDJapan.comの運営会社である株式会社3D Printing Corporationが提供する製造プラットフォームは、3Dプリンティング技術による大量生産のソリューションを提供しております。
⇒詳しくはお問い合わせください

まとめ

光造形方式3Dプリンターは、数ある造形方式の中でも歴史が長く、最も使用されてきた造形方式の一つであり、滑らかな表面仕上がりと精細な造形が特徴です。高耐久や高耐熱、ゴムライクなど、さまざまな機械特性を持ったレジンがあり、用途に合わせて使い分けることができます。また、自社で光造形3Dプリンターを所有してパーツを内製したり、外部造形サービスに外注したりと、造形パーツの生産量やサイズによって適した光造形方式3Dプリンターの利用方法を考慮することが大切です。


貴社に合った光造形方式3Dプリンターの選定や造形の外注などのご相談は、DDDJapan.comへお気軽にご連絡ください。

 

お問い合わせフォーム
※クリックでフォームが表示されます。お問い合わせはこちらから。
 

 

次の記事 金属用3Dプリンターでできることは? 従来の金属加工との違い
前の記事 金属3Dプリンターで純銅製の誘導コイルを製造<Markforged事例>