3Dプリンターによるオーダーメイドのヘルメットでアスリートを守る【BCN3D Technologies】

3Dプリンターによるオーダーメイドのヘルメットでアスリートを守る【BCN3D Technologies】

スポーツで起きた脳震盪の件数は、アメリカでは毎年380万件にも上ると推測されています。

アスリートの頭部を守るためのヘルメットは、通常、中に発泡材が入っているもので、外側のシェルは射出成形で大量生産されており、サイズや形などの種類数は限られています。

そこで、アメリカのKAVは、安全性と着け心地の良さを向上するために、3Dプリンターを使用してオーダーメイドのヘルメットの製造に乗り出しました。

 

氷上の格闘技

Whitman KwokさんがKAVを始めたきっかけは、息子のアイスホッケーチームで、ヘルメットを被っていたにも関わらず、6人が脳震盪と診断されたことでした。

アイスホッケーでは、選手は32km/hの速さでリンク上を滑り、パック(アイスホッケー用の球)は、速くて130km/hで打たれるスポーツです。「氷上の格闘技」とも呼ばれ、そのスリリングさが人気であると同時に、プレーヤーに危険が伴うスポーツでもあります。そのため、プレーヤーの安全は、ヘルメットを始めとした全身装着の防具にも委ねられます。

ヘルメットは脳震盪などから守るための重要な役割を担っていますが、素早い動きに対応できるフィット感がなければ、優れたプレーの妨げになってしまいます。

しかし、ヘルメットは金型などを使用した射出成形で作られており、その技術はここ30年ほど変わっていません。型を使った製造では、サイズや形などの種類数は限られるため、自分の頭にフィットした快適なヘルメットは中々手に入りません。

 

(画像:BCN3D Technologies)

 

 

3Dプリンターで最適化&オーダーメイド

これらの問題を克服するために、KAVは3Dプリンティングの技術を導入することにしました。

安全で優れたアイスホッケーを行うために、KAVが重視したのは以下の点です。

  • より安全にするため、直線・回転加速度を低減させるゼロからの設計
  • フィット感を改善するため、頭部のサイズだけでなく形もオーダーメイド
  • 疲労を低減し、状況認識を向上させるための軽量化
  • 広範囲に及ぶ通気性、ならびに断熱材の不使用によって比類ない体温調整を可能にし、疲労を低減
  • 固定具を統合させる設計により、サビや破損の原因になるボルトを無くすことができ、また、衝撃に影響を受ける重要な箇所にもスペースを作ることが可能に。

3Dプリンターを用いてヘルメットを作ることで、防護、快適さ、フィット感の3つが可能になるのです。

 

(画像:BCN3D Technologies)

 

BCN3Dで生産を効率化

KAVでは、設計段階はもちろん、製造段階にも3Dプリンターを取り入れました。3Dプリントされたヘルメットはアスリートによってチェックされ、いくつもの衝撃試験を通ります。

使用する3DプリンターにはBCN3D TechnologiesSigmaxが選ばれました。その決め手はBCN3DのIDEXテクノロジーでした。独立型デュアル・エクストルーダー(Independent Dual Extruder = IDEX)は、2つのヘッドがそれぞれ独立して3Dプリントするので、本体の材料と水溶性のサポート材料の2種類を使っても、材料同士が混ざらずきれいに造形することができます。また、ミラーモード・複製モードにより、パーツを2倍の量で造形することができ、時間も短縮できます。

さらに、Sigmaxは卓上サイズながら、420 x 297 x 210mmの大容量ビルド容積で大きな部品も製造することができます。

Sigmaxを使うことで、KAVは効率的にオーダーメイドのヘルメットの生産を行えます。

 

(画像:BCN3D Technologies)

 

3Dプリンティング・ソリューション

従来通りの射出成形でのヘルメット製造には、治工具が必要な上に、大ロット生産であるため多様な製品の生産に対応できません。また、型を使用しているため、自由な設計も難しくなります。また、部品の製造を外注した場合には、コストは4倍、リードタイムは1週間も延びてしまいます。

KAVは3Dプリンターを使用することで、金型などに制限されない、ヘルメットの安全性と快適性を向上させる自由な設計が可能となりました。また、BCN3DのIDEXテクノロジーによって生産量をアップでき、時間とコストの削減にもつながりました。

3Dプリンティングの技術を導入することで、アスリートの安全と快適なプレーを守るオーダーメイドのヘルメットが手に届くものになりました。

 

 

3Dプリンターの運用方法やお見積りにつきましては、BCN3D Technologiesの日本総代理店であるDDDJapan.comまでお気軽にご相談ください。 

 

 

出典元:

https://www.bcn3dtechnologies.com/en/kav-customizes-ice-hockey-helmets/

https://www.facebook.com/KAVSports/


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