
3Dプリンティングはサプライチェーンに変革をもたらす
3Dプリント技術は、多様な材料が使用できたり、コスト削減や時間短縮が可能になったり、とても大きな可能性を持っています。様々な業界がそのメリットに着目し、それぞれの方法で取り入れています。
3Dプリンティングのメリットはものづくりのみに留まりません。データとプリンターさえあれば、どこでもパーツを作製できるという利点を活かし、3Dプリンティングは、サプライチェーンの短縮にもつなげることができます。
運送業者による3Dプリンティングサービス
運送業者のUPSは、3Dプリンティングサービスをビジネスに取り入れています。カスタムアクセサリーから、プロトタイプや製造用の治工具まで様々な3Dプリントの注文を受け付け、アメリカ国内のローカルUPSストアで3Dプリントを行います。
ローカルストアでプリントを行うことで、これまで遠い工場からの輸送にかかっていた時間とコストをカットすることができ、安価で素早く3Dプリント品を人々に提供することができます。
各地に営業所があり、輸送網に優れた運送業の利点と、どの場所でも造形が可能な3Dプリンティングの利点の両方を活かしたサービスといえます。
UPSはこの3Dプリンティングサービスを提供する店舗を、アメリカ国内に100店舗にまで拡大する計画を進めているとのことです。
また、FedExも3Dプリンティングサービスを計画中とのことで、詳細はまだ明かされていないものの、運送業界でも3Dプリンティングを取り入れたビジネスモデルが確実に広がってきていることが分かります。
日本国内でも
日本では、DMM.comが、株式会社日立物流、佐川急便株式会社と共同で、日立物流京浜物流センター内に、3Dプリント造形サービス「DMM.make 3Dプリント」の生産拠点を開設しました。
顧客から注文を受けた造形を物流センター内で3Dプリントすることで、迅速な配達ができ、さらにコスト抑えることができることに着目したサービスです。
サプライチェーンの短縮
このように、3Dプリンターはローカルで生産することが可能になるため、サプライチェーンが短縮化され、コストと時間が押さえられるのです。物流でもそのメリットを活かしたビジネスが導入され始めています。
サプライチェーンの短縮、ローカル生産といえば、3Dプリンティングは製造業の「リショアリング」をもたらすことができると注目されています。「リショア」とは「オフショア」の逆の意味の言葉です。
現在、多くの企業が、中国を始めとした海外に工場を置いて製品を安価に生産する「オフショア生産」を行っています。しかし、離れた工場から製品を輸送するにはコストと時間が掛かります。これを改善する方法として、ここでも3Dプリンティングを活かすことが出来ます。
3Dプリンティングでは、従来の設計では複数のパーツから構成されるような部品でも、1回のプリントで作製できたり、構成パーツを減らして部品を作製できたりします。そのため、部品の組み立て工程が不要となり、さらに人件費削減が可能になります。
3Dプリンティングにより製造の工程が省け、人件費も削減できれば、国内で生産することができ、「リショアリング」が可能になります。3Dプリンティング導入で輸送コストとリードタイムをカットすることができるのです。
3Dプリンティングによるサプライチェーンの変革は、現実になってきています。
出典元:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003219.000002581.html
https://www.fabbaloo.com/blog/2019/1/18/fedex-and-the-future-of-logistics
https://wired.jp/2018/09/27/ideas-jason-pontin-3d-printing/
3Dプリンティングの活用方法については、お気軽にご相談ください。