2017年3Dプリントガイドブック

目次

世界を変える3D造形

3Dプリント技術は航空宇宙、防衛、自動車、建築、医療、流通、デザイン、宝飾、衣服まであらゆる場面で活用されており、製造過程の中で既になくてはならないツールの一つとして認識されています。

将来起こる時勢の変化に向け体制を整える為には、これらの市場で今起きている変革について理解することが不可欠でしょう。

本ガイドでは基本的な項目を多くカバーします。皆さまがこのミニガイドを通じ、3Dプリントの全貌を垣間見ることができれば幸いです。

3Dプリントとは何か?

付加製造(Additive Manufacturing)とも呼ばれる3D造形技術で、3Dデータをシンプルな連続的形に置き換え、再構築しながら完全な形として具現化する技法のことを指します。

「3Dプリント」という呼び名は言わば、ITやコンピューティングと同じ様で、単一のプロセスやマシンのことを意味するものではありません。

次世代型マニュファクチュアリングにおける、技術群を指す用語なのです。

3D造形技術一覧

SLA 光造形法
(Stereolithography)

レーザー
プロジェクター
ライトエンジン
複合材料

FFF熱溶解フィラメント製法
(Fused Filament Fabrication)

単一素材
複合材料
原子拡散(ADAM)

材料押出法
(Material Extrusion)

空気圧によるもの(Pnematic)
熱によるもの(Thermal)

MJ 材料噴射法
(Material Jetting)

紫外線硬化によるもの
熱によるもの

BJ 結合剤噴射法
(Binder Jetting)

粉末床溶融結合法
(Powder Fusion)

SLS (Selective Laser Sintering)
SLM (Selective Laser Melting)
EBM (Electron Beam Melting)
MJF (Multi Jet Fusion)

指向エネルギー堆積法
(Directed Energy Deposition)

レーザー
電子ビーム

ラミネーション法

シート積層

使用できる素材

新しい3Dプリント用素材が日々開発・リリースされています。全てをリスト化するには多すぎるので、おおよそがカバーできる程度に以下に挙げます。

ポリマー

PLA、ABS 、PC、エラストマー、PET
ナイロン、PEEK、ULTEM

複合材料

カーボンファイバー
ケブラー
ガラス繊維

生体適合素材

PLLA、PCL、TCP

鋳造可能な素材

レジン、ワックス

金属

チタン合金
ステンレス
アルミニウム
インコネル
金、銀、プラチナ

その他

セラミック、コンクリート
ガラス、チョコレート
食品ペースト、蝋

最適な技術を選択するには

強度重視なら
(>100 MPa Yield strength)

SLA(複合材料)
FFF(複合材料、原子拡散)
材料押出法
粉末床溶融結合法(SLS、EBM、SLM)
ラミネーション法(複合材料シート積層)

配色重視なら

結合剤噴射法
ラミネーション法

精密造形重視なら
(最小図形寸法 <100 μm)

SLA
材料噴射法
結合剤噴射法
粉末床溶融結合法(SLS、EBM、MJF)

コスト重視なら
(150万円以下)

FFF(複合材料、単一素材)
SLA
粉末床溶融結合法(SLS)
材料押出法

生体材料を使用するなら

材料押出法(空気によるもの)

3Dプリンターを購入するべきか
造形を外注するべきか?

以下にいくつか紹介するような、質の高い造形サービスを提供する会社も多くあります。

Sculpeto、 Voxeljet、 3D Hubs

それぞれのサービスに強みがあるので、ご自身の要望に沿った造形をしてくれるかどうか検討してから依頼をしましょう。3D造形の業界には未だ明確なリーダーが存在しない為、何でも全てを一手に引き受けてくれるサービスがないということも念頭に置いておくとよいでしょう。

基本的に頻度に関わらず以下の目的で3D造形を活用するのであれば、3Dプリンターを購入することをお薦めします。

ラピッドプロトタイピング(試作)
冶具などのカスタムツールの製作
研究
製品製造
マーケティングと営業

上記以外の目的であれば、週3回以上利用する予定があれば3Dプリンターを持った方が効率的なことが多いです。

3dprinted house krakened for online

予算について

市場価格は常に変化していますが、ユーザーによっておよそ4つの価格帯に収束します。

ユーザー別でみる価格帯

消費者 3万円~50万円

小規模ビジネス 20万円~200万円

企業 20万円~1500万円

工場 300万円~

技術別でみる価格帯

SLA 20万円~2000万円

FFF 3万円~4000万円

材料押出法 20万円~1億円以上

材料噴射法 300万円~1億円以上

結合剤噴射 150万円~4200万円

粉末床溶融結合法 100万円~1億円以上

指向エネルギー堆積法 2000万円~1億円以上

ラミネーション 90万円~2500万円以上

素材費用もコストを考える上で重要となります。特に粉末素材や専用のバインダー素材などは予め価格を考慮しましょう。

使用素材でみる価格帯

SLA 5000円~15万円 /l

FFF 1000円~5万円/kg

材料押出法 樹脂素材なら 600円~/kg (素材によって変動します)

材料噴射法、粉末床溶融結合法、素指向エネルギー堆積法、ラミネーション法においてはメーカーによって価格が大幅に変動します。

CADについて

多くの企業が3Dプリントについて聞いたことがあるものの、社内にCADエキスパートがいない為に尻込みしてしまっています。しかし、そのような状況にも変化が訪れそうです。

CADソリューションは以前よりもはるかに簡単に、効果的に、安価になっています。この風潮はこのまま持続していくでしょう。

先駆的なものに以下のようなソリューションがあります。

Fusion 360
Solidworks
Onshape
Tinkercad
Rhino

3Dデータは一度作成してしまえばデータベースに保管しておくことができます。その為何万もの3Dプリント用3Dデータファイルが集積されたライブラリーを利用し無料または有料でデータを入手することができます。

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3Dスキャンについて

スキャンの質が向上し価格も下がるにつれ、3Dスキャンは日々人気を高めています。3Dスキャニングにはデータを3Dプリントに適した形に処理する作業が必要になる為、ある程度スキルのあるオペレーターが必要となります。3Dスキャニングは大きく分けて3つのカテゴリーに分かれます。

消費者向け

解像度がかなり低い傾向にあるのでパーツなどのコピーには向きませんが、5万円ほどで手に入ります。

企業向け(ローディテール)

フォトグラマトリーと呼ばれ、様々な角度から撮影した写真をデータ源として3Dモデルを構築します。ビジネスユースではこれでもまだ解像度が足りないことがありますが、ディテールにそれほど拘らないのであればメジャーなソリューションであると言えます。

企業向け(ハイディテール)

手持ちタイプの高性能3Dスキャナーは、150万円からカスタマイズ機材となると何億円もの価格になります。3D造形のシステムときちんと連携できれば、製造とエンジニア部門にとっては迅速で非常に効果的なツールとなります。

どこで3Dプリントについて学べばよいか

ah3dprintshop.com

日本国内で3Dプリントに関するニュースを提供しています。

3dhubs.com/knowledge-base

基礎知識を一通り学ぶことができます。

fabaloo.com

英語記事ですが3Dプリント市場に関するニュースと講評が読める人気のサイトです。

dddjapan.com

日本国内で最大の3Dプリントショップとナレッジベースを保有しています。

thingiverse

3Dモデルの大手ライブラリーです。

myminifactory.com

質が高いデータが多い3Dモデルのライブラリーです。

grabcad.com

3Dモデルのライブラリーですが、フリーランスのデザイナーも雇うことができます。

3dpc.co.jp

この本の著者です。日本企業が3Dプリント技術を取り入れるサポートをしています。

tinkercad.com

無料かつ簡単に使えるオンラインのCADソフトウェアです。

slic3r.org

無料の3Dプリント用スライシングソフトウェアです。

3D Printing Corporation について

3Dプリントに関する総合的ソリューションとサポートを日本企業向けに提供しています。コンサルテーション、研修、販売、研究開発契約、製造、先進的設計といった業務内容を通じビジネスシーンでの3Dプリント運用を支えています。国内における3Dプリントに対する認知、及び活用を促進し、3Dプリントが一つのツールとして隈なく日本企業に導入されるよう、どのような規模にも沿うことのできるサービスを提供しています。