2017 3Dプリンターバイヤーズガイド

2017年3月1日アップデート


BCN3D Sigma R17 / BCN3D シグマ 2017版

2016年にBCN3D Sigmaがオフィスに届いたときの事をはっきりと覚えている。黒白のスタイリッシュな梱包を開けると、見たこともないカッコいい躯体が姿を現す。電源を入れて初めて思ったのは「少しファン周りがうるさい」ということだったが、造形はとても綺麗で、楽しくて2色のトカゲや花瓶など何個も造形したのを覚えている。

デュアルエクストルーダーでの造形では使用していない方のノズルによる妨げにより造形が失敗することが問題とされていたが、Sigmaはセパレートすることでこの問題を解決しており、さらに両端にはクリーニング機能が備わっておりクリーンな素材の切り替えを保証してくれる。

新しいR17 Sigmaについて言及すれば、気になっていた稼働音が今では最も静かなFDMプリンターの一台ともいえるほど劇的に改善されている。使い易さも向上しており、液晶画面のインターフェースが理解しやすくなっている。調整方法も簡単で、完全自動ではないが各ステップの方法が明示されており扱いやすい。精度についてはこれまでもSigmaは高い評価を得ていたが、今回のアップグレードにより使い易くなったお陰でさらに安定して高精度が実現できる設計になっている。

スペック概要

機種名:
BCN3D Sigma R17 / BCN3D シグマ 2017版

造型サイズ:
X軸 210mm, Y軸 297mm, Z軸 210mm

フィラメントタイプ:
オープンスプール 2.85 mm

スライサー:
Simplify3D, Cura

価格:
398,000円(税別)

性能評価

造形速度
50 ☺
汎用性
80 ☺
扱いやすさ
70 ☺
精度
85 ☺

コスト評価

ランニングコスト
35 ☺

総合評価

本体コスト
45 ☺

*同系統機種との比較 平均値50
性能は数値が高い方が
コストは低い方がよい


Fusion3 F400-HFR / フュージョン3 F400-HFR

3Dプリンターを選ぶ時に1.躯体の剛性 2.モーションシステムの品質 の2点だけはどんな条件のFDMプリンターを探していてもチェックするべき項目だろう。逆にこの2点の内、一つでも欠けていることがあればその機種はすぐに候補から外すべきだ。

アメリカのノースカロライナ州で設計製造されているFusion3社の3Dプリンターもマシンの剛性とモーションシステムに漏れなく配慮しておりその耐久性と再現性は高く評価されている。それだけなく何よりもF400シリーズの設計は「したいこと」に基づいている為、興味を持つユーザーや使用されるシーンなどもターゲットがはっきりしている。つまり、ターゲットとして適合したユーザーはかなり高い満足度を得ることができるマシンなのだ。「エンジニアリングプラスチックを使用して大き目のモデルをとにかく短時間で仕上げたい」と思っている人は適合率が高いので検討してみてはいかがだろうか。結局大型モデルの形状確認作業においては微細精密な設定で4日間かけて造形するよりも(しかも失敗するリスクが高い)1日で造形し2日目にサーフェサーやヤスリなどで仕上げた方が効率的なことも多い。

スペック概要

機種名:
Fusion3 F400-HFR / フュージョン3 F400-HFR

造型サイズ:
X355 Y355 Z309 mm

フィラメントタイプ:
オープンスプール 1.75 mm

スライサー:
Simplify3D

価格:
828,000円(税別)

性能評価

造形速度
99 ☺
汎用性
80 ☺
扱いやすさ
70 ☺
精度
75 ☺

コスト評価

ランニングコスト
30 ☺

総合評価

本体コスト
50 ☺

*同系統機種との比較 平均値50
性能は数値が高い方が
コストは低い方がよい


Felix Pro 2 / フィリックス プロ 2

多くのエンジニアが様々な工夫を凝らして使いやすい画期的なデュアル式の3Dプリンターを製造しようと模索してきたが、Felix Pro 2に組み込まれたアイデアと設計は他社機種の2年先を行っていると言っても過言ではないだろう。

32ビットの制御基盤に、128分の一マイクロステッピングモーター、さらにリニアレールとボールネジを搭載した本体は、どう見ても他の大量生産型マシンと比べてハイスペックそして高品質だ。

最近では既に築き上げたブランド力に頼りきって、あまり進歩もしてない後継機種を発表するような3Dプリンターメーカーが出てきたが、常に素早い技術革新の求められる3Dプリント市場ではFelixのように真っ向から新しい価値を創造する小規模なエンジニア企業に次第に淘汰されていくだろう。

オランダにあるFelix本社は製造工場と一体化しており、現在では珍しく中国ではなく地元でハンドメイド製造されているのも信頼性を得る理由の一つだ。

スペック概要

機種名:
Felix Pro 2 / フィリックス プロ 2

造型サイズ:
X 237 Y 244 Z 235mm

フィラメントタイプ:
オープンスプール 1.75 mm

スライサー:
Simplify3D / FELIXbuilder

価格:
349,800円(税別)

性能評価

造形速度
50 ☺
汎用性
80 ☺
扱いやすさ
70 ☺
精度
90 ☺

コスト評価

ランニングコスト
35 ☺

総合評価

本体コスト
40 ☺

*同系統機種との比較 平均値50
性能は数値が高い方が
コストは低い方がよい


Raise 3D N2 / ライズ3D N2

総合レビュー: Raise3d N2は多機能でかつ長持ちする3Dプリンターであり、お買い得でもあります。大型3Dプリンターの一種で、メーカースペースやファブラボなどで働いており、馬車馬のような3Dプリンターを要する人にはピッタリです。

 

注1: ハッカースペース (ハックラボ(hacklab)やメーカースペース(makerspace)、またはハックスペース(hackspace)とも呼ばれる)はコミュニティとして運営するワークスペースで、多くの場合はコンピューターやテクノロジー、科学、デジタルアートまたはエレクトロニックアートなどに対して共通に興味を持つ人々が出会い、ソサイエティ(社会)を形成したりコラボレーション(協働)したりすることが出来る場所である。

 

注2: ファブラボとは何か? ファブラボは、デジタルからアナログまでの多様な工作機械を備え た、実験的な市民工房のネットワーク。個人による自由なものづくりの可能性を拡げ 、「自分たちの使うものを、使う人自身がつくる文化」を醸成することを目指していいる。

 

注3: Raise3D はFDM(熱溶解積層)方式。公開されている仕様によれば、最小積層ピッチが10μm。PLA、PLA+、ABS、PC、PETG、R-flex、TPU、HIPS、Bronze-filled、Wood-filledといった10種類以上のフィラメントに対応。Wi-Fi/Ethernet経由でプリント指示を出したり出力の様子をモニターしたりできる。7インチタッチパネルディスプレイや電源遮断後のプリント再開機能などを搭載し、使い勝手良く仕上げたという。

まず目をひいたのが、本体の大きさです。解包(組立)作業をしていてしばらくして解包(組立)の手引きを見つけたには少し参りました。ともかく、Raise3Dは解包(組立)作業についても丁寧なビデオがついており、一歩一歩手引きをしてくれます。Raise3Dのセットは、箱から取り出すだけで、ほとんど設定・調整などが要らず完璧に作動するようになっているのに驚かされます。例えばその優れた機能の一つとして(我々に実際に起こったことですが)、電源コードに引っかかってコンセントが壁から抜けた場合でも、すぐに電源をバッテリーに切り替えて(保持しておき)、主電源が戻ったらまたプリントを続ける、といった点がありました。少なくとも二回、これにプリントを救われたのです。一回は同僚が電源コードに引っかかった時、一回は一瞬停電があった時です。二回とも再起動があまりにスムーズであったため、途切れたかどうかすら気づかないほどでした。この機能は、特に時間のかかるプリントをし、中断のせいで高価な樹脂を無駄にしたくない、という人には最適でしょう。

二つ目にRaise3Dについて驚かされる点は、本体の横に巨大な液晶ディスプレイが装着されている点です。が、弱点もなくはないです。まずこのような大型液晶ディスプレイはユーザーとプリンターのコミュニケーションを双方的・スムーズにし、プリントスピード・温度・樹脂の流し込み(量)等の調整を楽にしてくれます。一方、液晶ディスプレイが勝手に別のメニューに変わったりして、少し手なずける必要があったため、イライラしたということはあります。液晶ディスプレイの最大の利点は、スクリーン上のオブジェクトとして3Dプリントの進行度合いを見せてくれることでしょう。3Dプリンターを仕事場で使う場合には特に重要でしょうか。3Dプリントのプロセスをバーチャルと物理世界のミーティングの場として面白くしてくれます。

機体自体は自分が見た3Dプリンターの中で最も分厚いボールねじで組み立てられており、10ミクロンZのレイヤー形成を可能にしているといえます。フレームは全て金属製で、このレベルのプリンターには合っていると言えます。樹脂が、機体内部にあるガッツリした金属製のスプール・ホルダーに積層されるようになっています。機体の中のその小部屋を少し事前に熱しておくだけで、ナイロンがスプールに載ったままでもナイロンを乾いた状態に保てるのがお気に入りです(素材が劣化しないように保てる、ということです)。透明のプラスチックのパネル製で、プリンター自体の見た目も良いです。ただし、ドアの座りがあまりよろしくなく、ドアをきちんと閉じるのに手で少しガチャガチャ調整しなくてはならないということははります。美的観点もありましたでしょうが、毎回開け閉めする度にこのことを思うので、Raise3D N2のメリット・デメリットの中でも一番の問題と思ったりします。他の問題としては、ロッドへの潤滑油の量がやや多すぎて、時間がたつにつれ埃が付着するようになり、ロッドが却ってスムーズに流し込みを行わなくなることでしょうか。些細な問題ではありますが。日本の3Dプリンターはなべて日本の湿度の高さゆえに潤滑油を多く要するということは御座います。なおRaise3D N2ではプリントを行う(樹脂を流しいれる)ガラスのプレートの上に予めビルドタック・シートをのり付けする方式です。

注4: BuildTakは3Dプリンタのレイヤー剥離問題を大幅に減らすことのできる、革命的な シート。製品名です。スペルが違うようですが。

ホットエンド(ノズル)が合うと思いますが、たまに素材ゆがめすぎるという問題があったため、「Raise3D Hat」と呼ばれる調整が必要した(https://www.thingiverse.com/thing:1273187)。このデュアル・ヘッドを注文するとRaise3D(社)はわざとかZレイヤー幅を変えて送ってきます。出荷の際の都合のようですが・・・。ただそれも調整は簡単で、ヘッドの前方にあるノズル調整でお手軽に出来るようになっているようです。

プリントの質についてはRaise3D N2は、質の面で王と言えるBCN3D Sigmaに匹敵します。設定はzortrax m200ほど簡単ではないが、一度はまれば素晴らしい結果をたたき出してくれます。こちらに出来栄えのサンプルの写真があるので見てみて欲しいです(http://forum.raise3d.com/viewforum.php?f=5)。特にサイズが30x30x30や30x30x60 cmと巨大なことを考えると上出来ですね。

Raise3DにはプリンターとともにIdeamakerという専用ソフトが付いてきます(こちらでダウンロード可能: http://www.raise3d.com/pages/ideamaker)。このソフトは通常の(プリントデザイン)ソフトと比べ段違いで優れております。速く、スマートで、使える機能を多く搭載しています。レイアウトも素晴らしく、直感的に分かりやすく、Raise3D N2本体へのWiFiによるコネクションは100%自動であり、ただ液晶パネルにWiFiのパスワードを打ち込むだけです。Ideamakerが機能面やプリントデザイン面でやや負けるとしたらsimplfy3Dぐらいで、使いやすさとしては各段に優れていますね。Ideamakerが完全に無料の点を考えると驚きでしょう。

パワフルで費用対効果の高いFDM(熱溶解積層)方式を望んでおり、Raise3D N2を据えつけられるほどのオフィススペースがある方には最適です。また、出来のいいFDMの3Dプリントを公表したい、という人はまずこれを考慮してもらいたいです。

スペック概要

機種名:
Raise 3D N2 / ライズ3D N2

造型サイズ:
X 305, Y 305, Z 305mm

フィラメントタイプ:
オープンスプール 1.75 mm

スライサー:
専用付属

価格:
500,000円(税別)

性能評価

造形速度
70 ☺
汎用性
80 ☺
扱いやすさ
70 ☺
精度
80 ☺

コスト評価

ランニングコスト
30 ☺

総合評価

本体コスト
50 ☺

*同系統機種との比較 平均値50
性能は数値が高い方が
コストは低い方がよい


Cubicon Single Plus / キュービコン シングル プラス

総合レビュー: Cubicon Singleは驚くほどのイノベーションが詰まっている機能満載の3Dプリンターで、信頼性と安全性を約束してくれます。特に教育機関と研究機関関係者の方々に推奨しております。

 

一番最初にオフィスにCubicon Singleが到着した時、その良さを疑ったことをまず告白しなければなりません。機能一覧を見た時、巧妙なマーケティングの策略なのではと思ったのです。幾つかはそうなのですが、自身、本当によくできた3Dプリンターの本質を見直すことに心の準備ができていなかったのでしょう。

 

マシーン自体を見ていくと、内部のフレームを覆う外部プラスチックはまずまずなのですが、というのも自身、むき出しのメタル・フレームの感覚を好むことにありました。もちろん、周りが囲まれたヒート・チェンバーは不可欠で、この点を満たしているのはとても良いと思います。次に非常に目につくのはマシーンの重量です。なんと24kgと非常に重く、私共が知る中でFusion 3 F400 (39kg)に次ぐ、2番目の重さを誇っています。プリント中に少しの揺れが起こったり、誤って触れてもビクともしないこの特徴には非常に満足がいきます。

 

中でも最も魅力的なのはxyフルモーター駆動の傾斜調整を可能としたベッドにあります。ベッド自動調整はもちろんですが、これが意味するのはビルドテーブルの下にモーターがあり傾斜があれば調整をするということです。前述した通り、この機能に疑いをもったのが始まりでした。というのもエクストルーダーがベットに対し平行を保てていれば何も問題がないと、これはマーケティングの策略だと考えたのです。このプリンターに数百時間費やし、感じたことは、全てのビジネス級の3Dプリンターはこの機能を導入すべきだということです。後で知ることになったのですがCubiconの親会社であるHyVISION Systemはモーションシステムの業界牽引者であるということです。モーターが傾斜を取り除き、ビルドテーブル全体にわたってエクストルーダーと平行な状況を確保できることの威力は、非常に甚大で、まっすぐで長い造形物でさえも少しの歪みなく造形することができます。プリント毎にビルドテーブルの8箇所を調整する初期化処理で数分かかりますが、成果物をみれば、その時間は気になりません。それぞれのポイントを1/100ミリまで調整するという正確さには頭が上がりません。

もう一点興味深いのは、独占所有権のあるメタルコーティングでビルドテーブルが覆われていることです。カプトンテープやのりを使用して、造形物を固着させる必要がないため、綺麗な状態を保てるだけでなく、プリント準備に時間を取られる手間が減ります。さらに付け加えると、従来のようにスクレーパーなどのへらを使用して造形物を取り外す必要がないため、クールダウン・プロセスが終わり次第、ビルドテーブルからすっと取り外すことができます。スクレーパーなどのへらでの取り外し作業は労力がかかり、少々危険なため注意が必要です。(自身、他のプリンターより、3つほど切り傷の勲章があります。)家庭内でのプリントに関してであれば、さほど重要な機能ではないかもしれませんが、この機能と、内臓エアーフィルターがあることが、大学などの教育機関、研究施設にこのプリンターを推奨されている理由です。3層フィルターシステム (Hepa, Ulpa, Nano) が有毒ガスや、その他のナノ・サイズまでの粒子の露出を阻害し、閉じ込めるので、プリンターを使用する場所のクリーンな環境が担保できます。

一つ難癖をつけるとすれば、独自のCubicreatorと呼ばれるソフトウェアにあるでしょう。奇妙なインターフェイスとぎこちないワークフローに違和感を覚えました。ただ、スライサー・エンジンに関して言うととても素晴らしく、ブリムやラフトなどの造形物をビルドテーブルに固着させるためのパラメータの生成や変更ができる機能にも十分に満足が行きます。上記の通り、クローズド・ソース・ソフトウェアではありますが、多くのパラメーターをコントロールすることができるのは非常に嬉しいですし、この手のソフトウェアで当然付いてくるというものではありません。

プリントのクオリティーに関して言うと、一流のFDMマシーンと断言できます。セミフレックスでのプリントは完璧でした。カッパーフィル (銅粉含有素材)ではまずまずでしたが、ABSやPLAなどの一般的なプラスチック素材でのプリントはZortrax M200、Ultimaker 2、BCN3D Sigmaなどの高性能のアイドル・プリンター達と肩を並べます。

その他、Cubicon Singleの特出した点は一つのフィラメント・ブランドに縛られることがなく、必要に応じて好みのフィラメントで調整が可能なところです。

 

Cubicon Singleの信頼性はZortrax M200の次といった位置づけになるでしょうか。2ヶ月の連続使用で、数えられるほどだけのエクストルーダー詰まりと造形ミスがありました。モジュラー型のエクストルーダーとして良くできているので、なにか不具合がでても直ぐに交換することが出来るので、100プリント毎にビルドテーブルを交換しなければならないZortrax M200と比べても、素早く、簡単に行うことが出来るのが利点です。

 

全体として、間違いなくCubicon Singleは2016度のベスト・マシーンの一つでしょう。私がクラスやラボに3Dプリンターを導入の検討をしている教育者であったら、一番最初にランクインするのがCubicon Singleです。もし、建築家で、幅の長い造形物を作りたい場合も同様です。MakerBot Replicator Fifth Generationがやりたかったはこのような3Dプリンターだったのでしょう。


もちろん価格が大きく作用しているのでしょうが、北米、ヨーロッパで2015年に登場して以来、Cubicon singleは数千台の販売実績があります。Stratasys uPrintの精度がその1/10の価格で提供されているのですから、大学や研究機関で親しまれていることにはうなずけます。

スペック概要

機種名:
Cubicon Single Plus / キュービコン シングル プラス

造型サイズ:
X 240, Y 190, Z 220mm

フィラメントタイプ:
オープンスプール 1.75 mm

スライサー:
専用付属

価格:
398,000円(税別)

性能評価

造形速度
60 ☺
汎用性
70 ☺
扱いやすさ
90 ☺
精度
80 ☺

コスト評価

ランニングコスト
30 ☺

総合評価

本体コスト
45 ☺

*同系統機種との比較 平均値50
性能は数値が高い方が
コストは低い方がよい


Zortrax M200 / ゾートラックス M200

 総合レビュー: Zortrax M200はマシンの手入れに時間を割かずに成果物だけ手にしたいプロの方に最適です。 

当社でM200を使用し始めたきっかけは、ある3Dプリント企業のレビューをリサーチ中に発見したことでした。「当社ではデスクトップ型の3Dプリンターとして2000万円クラスのStratasys社や3D Systems社の高額な3Dプリンターではなく、Zortrax M200を選んだ」もちろんどんなマシンなのかと興味を持った私達は、すぐに取り寄せ、テストプリントを開始しました。

M200の第一の特徴はPerforated Heated Bed(ビルドプレート)にあります。他社のビルドプレートはガラスやアルミプレートを使いつるつるに仕上げてあるのに、M200では少し異なるアプローチをとっています。見た目からして違いが変わりますが、結果としてとても上手く設計されています。マテリアルはビルドプレートに非常によく固着しますし、メンテナンスやクリーニングの時も業界トップクラスに簡単で、わかりやすいです。
難点としては、ヒーテッドベッドが冷めた後の造型の取り外しに付属の小手を使って削り落とさなければならないということです。
大体9kgぐらい造型するとビルドプレートは交換という感じですが、幸い価格も安く交換も簡単です。

M200がたの機種と極めて異なるところと言えば、造型の高い精度と再現性でしょう。
造型直後からすでにポストプロセスされたような仕上がりで、ものによっては結果物としても使用が可能です。こんなにもよく設計されたエコシステムには技術的理由があり、もちろんオンボードのカリブレーション用プログラミングや提供素材自体のクオリティが高いことも理由の一部です。どれだけプリント精度がよく扱いやすいかというと、3Dプリントの知識がない方でも、SDカードにデータを入れて造形後サポートをとってそまままテレビや映画などの舞台装置として使えるくらいです。

 

M200の信頼性は私達が今まで経験してきた3Dプリント業界の中でトップクラスです。造型はほとんど失敗することがありませんし、業界でよくある「エクストルーダーが壊れるように設計されている」ということもありません。8ヶ月間のヘビーユースでも一度もフィラメントが詰まったことがありません。3Dプリンターとしては注目に値する記録でしょう。

今まで挙げてきたアドバンテージも、もちろん対価があって得られるものです。Zortrax専用のソフトウエアとフィラメントを使用しなければなりません。ホビーとして3Dプリンターをお探しの方には物足りないマシンではありますが、設定などで時間を費やすことが必要ないのでただひたすら成果物にこだわる方には最高のパートナーとなるでしょう。

Zortrax M200は265,000円(税別)と一番安い3Dプリンターではなく、フィラメントも格安のものではありません。それでもパフォーマンスは業界トップクラス、さらにトラブルシューティングに費やす時間や造型の失敗時に掛かる無駄なマテリアルコストの事を考えると、総合的にはプリントコストも他のマシンよりも低いかもしれません。

スペック概要

機種名:
Zortrax M200 / ゾートラックス M200

造型サイズ:
X 200, Y 200, Z 180mm

フィラメントタイプ:
専用のみ

スライサー:
専用付属

価格:
237,500円(税別)

性能評価

造形速度
60 ☺
汎用性
40 ☺
扱いやすさ
90 ☺
精度
80 ☺

コスト評価

ランニングコスト
50 ☺

総合評価

本体コスト
40 ☺

*同系統機種との比較 平均値50
性能は数値が高い方が
コストは低い方がよい


Lulzbot Taz 6 / ローズボット タズ6

総合レビュー: Lulzbot Taz 5は力強く柔軟性の高い3Dプリンターをお求めの方に最適です。また非常にカスタマイズ性が高いので、お時間が取れる方にお勧めします。

 

Lulzbotはデニムでいうところのリング精紡物にあたります。本当に思考が凝らされた3Dプリンターなので、使えば使うほど味が出てくるのです。というのもLulzbot社のマシンは全て完全にオープンソースな設計がされており、メーカーのポリシーもオープンソースがもたらす良さを提供することにあるからです。(Lulzbot社はスカイプコールに応答しませんが、それはスカイプがオープンソースではないから。)TAZ5は2016年で最も注目すべき3Dプリンターのひとつであると考えています。

物理的な視点でLulzbot Taz 5を見ると、他社の多くの3Dプリンターが向かっている方向の反対に向かっているといえるでしょう。オシャレでスッとした感じではなく、筋肉質で工業向けといえます。最も注力しているものの一つに大きいエクストルーダーのキャリッジがありますが、これがTAZ5の欠点のひとつで、少し重量超過している様子で速いプリントスピードとは言えないでしょう。しかし、プリントクオリティーに関しては非常に優れています。

Taz 5は確かに大きいですが、大きすぎて扱いにくいという程ではありません。また、従来のデスクトップのFDMプリンターに比べて大きい造形サイズが可能なので、専門家にも非常に有力なツールです。

Lulzbot Taz 5にはFDMプリンターに求める全ての要素(ヒーティッド・ベッド、全メタル・ホットエンド、高品質なPEIプリントサーフェスなど)が含まれています。しかし、本当に高い評価を得ている理由は、フィラメントの種類を選ばないという能力にあります。実質、Lulzbotはどの様な用途でも使用できるように、カスタム性の高い3Dプリンターを作り上げました。

大きい造形サイズや、ドュアル・ヘッドの追加装備、柔軟素材やスーパーエンプラ対応など、魅力的な機能を盛り込むことで、Lulzbotは中でも最も有力な3Dプリンターのコミュニティを作り上げました。今では最も重要なコミュニティの一つとして位置づけられています。

Lulzbot Taz 5は他のプレミアムホームプリンターと同じような価格に設定されています。国内への配送は、送料無料で¥288,800です。コストパフォーマンスでよい点数をたたき出しているのは、柔軟性が高いことと、他のプリンターの2~3台に匹敵するパワーをもっていることにあります。また、Taz 4からTaz 5への無償でのハードウェアアップグレードが可能など、その不朽さを可能にするLulzbotには脱帽するばかりです。

スペック概要

機種名:
Lulzbot Taz 6 / ローズボット タズ6

造型サイズ:
X 290, Y 275, Z 250mm

フィラメントタイプ:
なんでもOK 2.85mm径

スライサー:
Cura

価格:
338,000円(税別)

性能評価

造形速度
60 ☺
汎用性
99 ☺
扱いやすさ
70 ☺
精度
80 ☺

コスト評価

ランニングコスト
30 ☺

総合評価

本体コスト
40 ☺

*同系統機種との比較 平均値50
性能は数値が高い方が
コストは低い方がよい